第4章 ◆愛撫の快感 ★★★☆☆
ゴクリと喉が鳴った。
指を入れる…だと……?
前回は口付けまでだったのに、いきなり主にそんなことをしろと?
慣らさなければ痛むかもしれないし、第一、主だってお嫌だろう。
まだ主の着物の中へ触れたことすらないのに……。
すぐそばにいる主の顔を伺った。
きっと真っ赤になって俯いているだろうと思ったが、主は目をぱっちりと開き、首を傾げながらまだ通達を見ている。
「長谷部さんは、お分かりになりますか?」
「え?」
「指を挿入する、とは、一体どこにでしょうか。場所が書いてないですよね」
主……
本当に、何も知らないのか……?
「……場所は、分かります」
「どこですか?」
「ええと…」
あまりに素直な質問に、俺は答えられず口元を押さえた。
何も知らない無垢な主に、今夜、俺は……。
「…大丈夫です。主は何も心配なさらず、俺に身を任せて下さい」
「本当ですか? 良かった、心強いです」
昨夜の山姥切でさえ、主のそこには触れたことなどないはずだ。
もう誰にも触れさせない。昨夜のことなど、今夜のことで忘れさせてみせる。