第4章 ◆愛撫の快感 ★★★☆☆
俺は引っ掛かり、無意識に湯飲みを置くと、はにかんでいる主に尋ねた。
「昨夜というと、山姥切の手当のことでしょうか。お二人のときに、何か良いことが?」
「はい。ちょっと」
「…何ですか?」
「ふふふ、まだ内緒です」
頬を赤くし笑顔を見せる主に、普段であれは胸が高鳴ったはずだ。
しかしそれが山姥切に向けられたものだと分かると、俺の腹の中はひどく煮え返った。
「なぜですか?」
「まだ、私の勘違いかもしれないので…」
どういうことだ?勘違いかもしれない、とは一体何なんだ?
山姥切と、何があった?
…まさか、奴と想い合っているということでは…
「長谷部さん?」
俺とあんなことをしたのに、心の中では別の男を想っているのだとしたら……
『主さま、通達でございます』
「は、はいっ」
暴れだしそうな嫉妬心は、狐の呼び声で一度途切れた。
襖の隙間から差し出された通達を主が受け取り、熱っぽい表情でこちらへと差し出しす。
開くと、今までとは違い長い文章が書かれている。
主も俺の腕の横から覗きこんだ。
『三夜目
近侍は審神者に指を挿入すること。近侍は注意深く愛撫を行い、痛みを軽減させよ。過去の手順を行うことは自由である。
ただし審神者に絶頂を与えてはならない』
これは……。