第4章 ◆愛撫の快感 ★★★☆☆
「写しの俺に期待しても無駄だが、話くらいなら聞いてやれる」
ふて腐れながらも、彼も私を心配してくれている。
「ありがとうございます。…恋煩いというか、少し、自分の無知を反省していたんです。今まで男の人と触れ合う機会なんてなくて…」
「長谷部と恋仲にでもなったのか」
「ま、まさか…! 恋仲だなんて、そんな…。ただ審神者として、男の人について少しは知識を得なければと思いまして…」
「別にそんな知識は必要ないだろ」
山姥切さんは話が見えないとばかりに首をかしげ、目を細めている。
「…でも、あんたは知識がなくとも男をその気にさせる癖がある。気をつけろ」
「え……?」
私がポカンと気の抜けた声を出すと、山姥切さんは少しだけ睨んだあと、大きなため息をついた。
「今だって、二人きりなのに俺を脱がせて、赤い顔で男を知りたいなどと言っているだろ。俺はあんたが天然ボケだと知っているから構わないが、そういう奴らばかりじゃない。…だから長谷部も遠慮してるんだろ」
「…遠慮…?」
長谷部さんが、私に遠慮してる…?
でもたしかに、そう感じるときが何度かあった。
山姥切さんにはその気持ちが分かるのかな…。