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【刀剣乱舞】*夜伽のお時間*【R18】

第3章 ◆甘い口付け ★★☆☆☆



『主さま。通達でございます』

「はいっ」

こんのすけの声とともに、シュッと通達の紙が差し入れられた。
主はそれを受け取り、開く前に長谷部に渡した。

主導権を長谷部に委ねる意図があってことだったが、彼もそれを理解し、戸惑う主の代わりに開く。


『ニ夜目。
抱き合い口付けを交わすこと』


「…主、今夜は、このようです」

開いた文面を主に見せると、彼女は顔を真っ赤にし、コクコクと頷いた。
二人とも、この内容はなんとなく予想がついていた。

「…口付けなら分かりますから、大丈夫だと思います」

主の言葉に、長谷部はピクリと揺れ、目を細めた。

「…したことがおありですか?」

「あ、ありません!…でも、知識としてなら多少は…」

「そうですか…」

(良かった…)

長谷部はホッと胸を撫で下ろすと、膝を主と付き合わし、その目をじっと見つめた。

「…緊張していますか、主。少し、時間を置いたほうがよろしいでしょうか」

「…いいえ、大丈夫です」

本当は、主は長谷部と口付けを交わすことをずっと夢見ていた。

普段、想いを寄せる彼との想像に耽るとき、想像の幅が狭い彼女が思い付くのはいつも「口付け」だったのだ。
もし、彼と口付けをしたなら…と、いつも想像してはドキドキしていた。

唇と唇をつける感触は、まったく想像できないわけではない。

実感してみたくてナイショで大福餅を唇に充てたことだってある。
きっとあの感触がするはずだ、と主は考えていた。

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