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【刀剣乱舞】*夜伽のお時間*【R18】

第17章 ◆番外編4「贈り物」



「長谷部さん、何か探し物をしていたんですか?」

そういえば、と。
彼女は彼がここで何やら動き回っていたことを思い出して尋ねた。

長谷部はそれを聞かれると言葉に詰まっていたが、やがて観念して探し物の正体を話し出す。

「…その…髪飾りを探していました。木箱に入った…つまみ細工の…」

「…髪飾り?」

それを聞いた主は、すぐに心当たりを思い出し、「ああ!」と声をあげた。

「もしかして、これのことですか?」

そして主はそう言いながら後ろを向き、彼に後頭部の髪を留めている髪飾りを見せた。

赤いつまみ細工の小花がついた、控えめで可愛らしい髪飾りである。

「えっ…あの、どうして主が…」

「これは…以前長谷部さんにいただいたものです」

そう聞くと、長谷部は切ない表情で肩を落とした。

「……そうですか。その髪飾りを主に贈ろうとしていました。そこで記憶が途切れているのですが………もうすでに、その先の俺がお渡ししていたんですね」

長谷部は複雑だった。

彼女を想って選んだ髪飾り。
それをどんなふうに贈ろうか、贈ったら喜んでくれるだろうか。そんなことを考えていたはずが、それは自分ではない自分によってもうすでに終えられていたのだ。

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