第3章 ◆甘い口付け ★★☆☆☆
私も答えが気になって、こんのすけさんを見た。
「時間をおき、最初の手順からやり直しを命じられるようです」
…それは長谷部さんに大変な迷惑をかけてしまうことになる。
通達の手順は絶対に守ろう、と心に誓った。
「それと、」
こんのすけさんは続けた。
「一番気をつけていただきたいのが、通達での指示がないのに性交を最後までおこなってしまうことです」
こんのすけさん、そ、そんなはっきり…。
長谷部さんも顔を赤くしている。
「実際にそうなってしまった本丸があるのですが、その場合はやり直すことはできません。段階を追い互いに最大限高め合った魂を通わせることで意味を成すものですから、中途半端に魂を通わせてしまうとその後高め合うことが不可能になります」
「…仮にそうなったら、どうなる」
また長谷部さんは質問をした。
…長谷部さん、どうしてそんな神妙な顔で、そんなこと聞くのかな。
でも、なぜか私も、答えが気になった。
「時間を置いたのち、近侍を別の刀剣男士に変えて再度夜伽を行うこととなります」
「なんだと!?」
『別の刀剣男士に』と聞いた途端、ヒュッと心臓が冷たくなった。
それって、他の人としなきゃならなくなるってこと…?
長谷部さんは私の肩に手を置き、真剣な顔で言った。
「主! 通達の指示どおり、慎重に進めましょう!」
「は、はい」
頼もしい彼の言葉にとても安心した。
きっと私が「長谷部さんとしかできない」と言ったことを尊重してくれているんだろう。
…今思えば私、すごいこと言っちゃったんだなぁ…。