第16章 ◆番外編3「見合い」
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しかしそれから三日が経っても、長谷部さんが私に事情を聞いてくることも、夜の触れ合いを求めてくれることもなかった。
口づけをすることもない。
審神者と近侍としての、平坦な毎日。
最初は懺悔の気持ちが大きかったけど、三日となると、私は不安に押し潰されそうになっていた。
もしかして、ずっとこのままだったりして…と。
だから三日目にして、改めて、長谷部さんに謝罪をした。
「…長谷部さん、この間はごめんなさい。私が勝手なことをして、悲しませてしまって…」
畑仕事をしていた長谷部さんをわざわざ訪ね、私は頭を下げた。
彼は少し驚いた顔をしたけれど、すぐにいつもの表情に戻る。
「いえ、主に謝っていただくようなことは、何も。報酬のためなら仕方ありません。もうお気になさらないで下さい」
これは…許してくれて、ないよね…?
だって、いつもはもっと優しい顔で接してくれるし…抱きしめてくれるし…二人きりのときは、口づけしてくれるのに…。
どうしよう…。
もうしてくれなかったら…。
「…長谷部さん…口づけしてくれませんか…?」
不安で、気づいたらそう言っていた。
長谷部さんは一歩下がり、「え?」と戸惑いを見せた。
私はそこを強引に近付いて彼の胸板に触れ、目を閉じて口づけを待った。
三日していないだけで、もう我慢できない…。
長谷部さん…長谷部さん…。
「…すみません、主。今はできません」
えっ…