第16章 ◆番外編3「見合い」
襖を閉めきってから、私は長谷部さんと向き合い、隣の部屋に聞こえないように小声で詰め寄った。
「長谷部さんっ…あんなことしたらバレちゃいます…!」
すると長谷部さんは表情を変えず、一人で取り乱している私にまた不意打ちの口づけをしてくる。
“黙って”と言わんばかりに。
「…んっ…!? …ちょっと、長谷部さんってばっ…」
「……あれが、主が会いたかった男なんですか?」
「違いますっ…会いたかったとか、そんなんじゃ…」
弁解しようとしても、うまい言い訳が思い付かず言葉に詰まる。
すると長谷部さんの表情は徐々に怖いものへと変わっていき、私の体を押さえつけてきた。
背後から抱き締められ、彼の両手は私の胸と足の間をまさぐりだす。
「あっ…だめっ…」
声が出そうになっても、襖の向こうには先輩さんたちがいるため必死に口を押さえて我慢した。
長谷部さんはそれを破ろうと私の敏感なところばかりを攻めてくる。
「…やめてくださいっ…」
怖い…。
長谷部さん、いつもと違う…。
やがて彼の手は着物をはだけさせ、直に触れてきた。