第16章 ◆番外編3「見合い」
「…んんっ…」
足の間を探り当てられ、なんと指を入れられる。
さすがにいきなりこんなことをされては、快感だけではなく恐怖や圧迫感もあった。
私は必死に自分の口を塞ぎ、隣の部屋に聞こえないよう声を抑える。
「…濡れてますよ。あの男と話していただけなのに…どうしてですか」
低い声で尋ねられ、濡れている部分の音をクチュクチュと立てられる。
こうなったのは話している途中に長谷部さんが触ってきたからで、先輩さんは全く関係ない。
私は首をふって否定するが、長谷部さんの指は刺激することをやめてくれなかった。
─くちゅ…くちゅ…─
「…ん…ん、…んんっ…あっ…」
「…あの男は主の何ですか。何故あんなに気安く口説かれることを許しているのです」
「あ、あれはっ…先輩さんの、いつもの冗談でっ…」
「…主にとって、俺はどんな存在なのでしょう。隠れて見合いを計画されていたなんて夢にも思っていませんでした…。…いつも俺を好きだと言ってくれるのに…主の考えていることが分かりません…」
長谷部さん…泣きそうな声…。
そうだよね…。
知られたらショックを受けてしまうだろうから秘密にしたんだけど、駄目だったかな…。