第16章 ◆番外編3「見合い」
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長谷部さんの不在を見計らって、私は燭台切さんを呼び出し今までのあらましをお話した。
「え!? お見合い!?」
「はい…」
「いや…それは長谷部くんが悲しむって。いくら月課任務に追加されたからって、やらなくていいと思うな」
報酬のお守りが目当てだということは伏せておいた。
まるで長谷部さんのためだと念押ししているようで申し訳ないと思ったから…。
でも、そうなれば当然、大反対の燭台切さん。
当日近侍をお願いしたいというお話をする前に、まずはお見合いを決めたことを納得してもらわなければならない。
「あの、でもこれを見てください。先輩の審神者さんからお見合いのお誘いが来たんです」
「え、もう!?」
私は机の引き出しから、送られてきた封書を出して見せた。
『やっほーポケ子ちゃん。俺だよ。
久しぶりだね。通達見た? 見合い任務って(笑)
これさ、成婚しなくていいんだし、俺らでやらない?
会って食事するだけで報酬もらえるなんてラッキーじゃん。ちょうどポケ子ちゃんとも話したかったし。
あ、とって食ったりしないから大丈夫だよ(笑)
てことで、お返事待ってるよん』
燭台切さんはそれを見てあんぐりと口を開けている。
「知り合い? ていうか、ポケ子ちゃんって…?」
「この方は“先輩さん”で、私が新人だったときに色々と教えて下さった審神者さんです。先輩さん、私のことをポケ子ちゃんと呼ぶんですよね…。ポケッとしてるから、って言ってたかな…」