第15章 ◆番外編2「現代遠征」
─ちゅぱっ…ちゅぱっ…ちゅぱっ…─
「ハァッ…ハァッ…うっ…」
主のねっとりとした舌の感触は、布団で隠されていると余計に顕著に伝わってくる。
もしかして、彼女から誘ってくれているのだろうか。長谷部はそう思うと嬉しくなり、素直にこの快感に酔いしれていた。
長谷部はこれ以上されるとイく、というところで、一度布団をとって彼女の顔を確認しようとした。
しかし、長谷部はギョッとした。
暗い中でも、主の目から涙が溢れていることが見て分かったのだ。
「主っ…!?」
彼女の涙を目にした途端、長谷部の理性は一瞬で戻り、反射的に彼女の口から自身を抜いた。
「どうされたんですか!? なぜ泣いてらっしゃるんです!」
もしや自身を舐めることが泣くほど嫌だったのか、という予想も立ったが、さすがにそれなら彼女からしようとはしないはずだと思い直す。
するといよいよ心当たりがなく、長谷部は慌てて彼女を抱きしめ、慰めるしかなかった。
「…うぅっ…長谷部さんっ…」
「主っ…どこか痛いんですか? 何があったんです?」
心配そうな顔で長谷部に覗き込まれると、彼女はさらに切ない顔で涙を流した。