第14章 ◆番外編1「猥本」
「はぁ…はぁ…」
私は体を倒したまま呼吸を整える。
「上手にイけましたね、主」
終わればこうして、長谷部さんは横たわる私の頭を撫でてくれて、小さな子供のように甘やかしてくれる。
私はたまらず、体をごろんと動かして長谷部さんに抱きつくと、彼の胸板にすりすりと頬をこすりつけて甘えた。
「主…」
「…長谷部さん、大好きですぅ…」
「…はい…俺もです。はは…主、可愛い…」
はぁ…幸せだなぁ…。
こんなに幸せでいいのかな…。
手入れのはずなのに、私は長谷部さんに気持ち良くしてもらってばかりで、今まで知らなかった夜伽のことを色々と教えてもらっている。
最後までしてしまえばそれで終わりだと思っていたのに、夜伽って本当は奥が深いみたい。
後ろからのも気持ち良いし、この間した座って向い合わせでするのも好きだし…あと長谷部さんがたまにしてくれる、私を持ち上げて抱っこしながらするのも…。
「主? 大丈夫ですか?」
「は、はいっ…長谷部さん、今日も気持ち良くしていただいて、ありがとうございます…」
「そんな…。手入れをしていただいているのは俺ですから。…それに、可愛い主を独占できて、幸せです」
好きって言ってもらえて、可愛いって言ってもらえて、気持ち良くしてもらえる…。
長谷部さんの恋人にしてもらえたなんて、今でも信じられないよ…。
うう…好き…! 好き好き好き…!
「…主。こちらを向いて下さい」
「はい。………んっ………」
最後に口付けをしてもらって、私たちはこの日の手入れを終えた。