第13章 ◆愛のすべて ★★★★★
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食事を終え、麗らかな昼さがり。
皆がすべての仕事を終わらせていたおかげで、主の時間はゆっくりと流れていた。
もちろん、それは長谷部も同じ。
病み上がりの彼も皆に一日休むよう強く言われ、大人しくそうしている。
主は長谷部を誘い、茶と和菓子を持って、縁側に座った。
庭園の景色を二人で見て、茶をすする。
「のどかですね…。ふふ、なんだか昨日のことが夢だったみたい…」
そよそよとした柔らかい風を受け、彼女は笑いながらそう言った。
しかし、長谷部はうつ向いたまま呟く。
「……夢だったのでしょうか」
「…長谷部さん?」
主は聞き返す要領で長谷部の名前を呼び、彼の悩ましげな表情に首をかしげた。