第13章 ◆愛のすべて ★★★★★
長谷部の目は熱っぽく揺れ、今度は彼女を見つめていた。
「昨夜のことは、俺に都合のいい夢だった…そんなふうに思えてなりません。…夢みたいなことばかりで…」
「…長谷部さん…」
「俺のことを好きだと言って下さったのは…それは…」
主はまた、少し笑った。
不安になる長谷部が愛しくて、もう何度でも安心させてあげたくて。
「……大好きです。長谷部さん。大好きですよ」
そう言って微笑んで、隣にあった彼の手に、手を重ねてキュッと握った。
暖かい風に包まれて、二人はどちらからともなく口付ける。
今は春だっただろうか。
桜の花びらがひらひらと舞った。
これは審神者と近侍の、恋の物語。
◆◆◆完◆◆◆
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