第13章 ◆愛のすべて ★★★★★
◆◆◆◆
翌朝───………
「手入れ部屋で主と長谷部が抱き合って寝ている」という噂が本丸を駆け巡った。
それを最初に発見したのは扉の外で立って待っていた三日月で、朝になって中の様子を確認したらそうなっていたということ。
主は着物の肌着、長谷部は下半身のみ衣服を着ていたものの、手入れ台に横になる主を長谷部が後ろから抱き締める形で眠っている。
長谷部の腕枕で、なんとも穏やかな表情で眠る主。
その二人を、昨夜駆けずり回っていた刀剣男士たちがとり囲んで凝視していた。
「よく眠ってるね、主と長谷部くん…」
「驚いたな。長谷部の傷が残ってないとは。どういうことだ?」
「まさか主がここまでの力を持っていたとはね…」
色々と片付けられてはいるものの明らかに事後であると分かる状況に、一期は短刀たちの目を塞いだ。
しかし大人組はじっくりと眺めながら、昨夜何があったのかを考察するのだった。
途中、鶴丸が主の着物をめくり「わお」と呟く悪ふざけをしたため、山姥切が「やめろ」と叩く。
「…ん…」
その音で、主が目覚めた。