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【刀剣乱舞】*夜伽のお時間*【R18】

第12章 ◆長谷部の恋 ★★☆☆☆



「……」

するとなぜか、それまで微笑みながら主を諭していた長谷部が唐突に黙り込んだ。

固まったまま、何か考え込んでいる。

「……長谷部さん?」

「…主、もう一度…口付けていただいてもいいですか?」

「え……?」

長谷部が言ったのは、もう一度"手に"口付けてほしいということ。
彼は何か思うところがあってそう申し出た。

しかし、主は自分の思うまま、彼の唇に顔を近づけていく。

「…長谷部さんっ…」

そして唇に口付けた。

「んっ…」

唇にされるとは予期していなかった長谷部だが、もちろんこれを受け止め、酔いしれた。

しばらく唇が重なり、離れた後で、長谷部は確信する。

「…口付けをすると、痛みが弱くなります…」

「……え?」

そう言われ、主は長谷部の痛んでいたであろう箇所を目視で確認した。
腕や足の細かい切り傷が薄くなっている。

明らかに先ほどまではぱっくりと裂けていたのに。

「長谷部さん、これって…」

「主、もう一度お願いします」

「はい」

今度は長く、舌を入れあった。

─ちゅ…ぴちゃ…─

長谷部は口の中も切っているため、主は血の味を感じながら、彼の口内の切り傷を探り当てて優しく舐める。

今度は彼女もしっかりと感じた。
舌が触れた切り傷が、元に戻っていくのだ。

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