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【刀剣乱舞】*夜伽のお時間*【R18】

第12章 ◆長谷部の恋 ★★☆☆☆



手入れ部屋は暖められ、大量の資材と手伝い札が運び込まれていた。

燭台切が木製の台に長谷部を寝かせると、頭部や腹部の下に血だまりができ、台座から滴り落ちていく。

主は涙でぐしゃぐしゃになった顔でどうにか自分を震い立たせ、彼の血まみれの服を一枚ずつ避けていく。

「……っ……」

傷口を見た瞬間、主は息を詰まらせた。
隣にいた燭台切も目を細める。

「…これは…五日はかかるね。長丁場になるよ」

燭台切はそう呟いたが、それは「助かれば」の話である。
それは主も分かっていた。
だから気休めにもならなかったのである。

主は震える手で、さっそく手入れを始めた。
傷口を塞ぐために大量の資材を消費するが、とても追い付かない。

資材の減りが、まるで長谷部の命が削られていく様を表しているようだった。

「……ふ、塞がらないっ…」

「大丈夫だよ、主。諦めないで、続けるんだ」

泣きべそをかく主を、燭台切は根拠なく応援するしかなかった。

手入れ部屋の扉の外では山姥切が指揮をとり、夜間でも資材集めに行く部隊をすでに編成し、出発する。

しかし、長谷部の傷を見た者は心のどこがで思っていた。


『助からないのではないだろうか』


皆、彼を救うための資材を集めることに没頭することで、それを考えないようにするしかなかったのである。


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