第11章 ◆早朝の釈明 ★★★★☆
「はぁっ……はぁっ……」
主は大きく呼吸を繰り返し、絶頂の衝動を逃がしていく。
長谷部はすぐには止めず、溢れだしていた蜜をゆっくりと舐めとり、刺激にならない程度に彼女を綺麗にした。
「…上手にイけましたね、主」
やっと唇が離れ、指も抜かれる。
麻痺しているソコを震わせながら、主は据わりきった目で長谷部を見つめた。
(長谷部さん…好き…)
視線では必死で告白の返事をするが、それは長谷部には伝わらない。
長谷部は優しく彼女の体を起こし、体を丁寧に拭いた。
腕の中のしおらしい主に欲情するものの、彼女と自分が両想いなどとは思ってもいない。
ただ毎日彼女に触れられる喜びを噛み締めるだけだった。
「…………長谷部さん」
「はい」
主は話そうと思った。昨夜のことを。
しかし、長谷部のすっきりとした表情を目の前にすると、それができなかった。
「…なんでもないです…」
「本当ですか? 具合でも悪いのでは?」
「いえ、大丈夫です。すみません。…少し休んでから行きますので、先に皆さんのところへ行っていてください」
「分かりました。何かあれば、すぐに呼んでください」
長谷部は不思議に思いながらも、先に立ち上がり、この部屋を出ていった。
主は長谷部と二人で大広間へ行くことは、昨夜のこともあり恥ずかしかったのだ。
(山姥切さんとか燭台切さんあたりが、きっと昨夜のことを長谷部さんに伝えてくれるよね…)
そうすれば、長谷部と改めて話ができるだろう。
そう思い、彼女はゆっくりと着替えを始めた。