第11章 ◆早朝の釈明 ★★★★☆
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翌朝、寝不足の主の部屋に、いつもどおり長谷部がやってきた。
「主。 起きていらっしゃいますか」
「…っ!」
布団の中で起きている彼女は、途切れ途切れに数時間しか眠れなかった。
昨夜、長谷部に好きだと言われたのだ。
酔いの勢いにまかせてはいたが、それは情熱的で胸が焼けつくほどの告白だった。
そんなものを初めて経験した主。
そして今までしてきた夜伽も全部、長谷部が自分を好きな上でしていたことなのだと思うと、彼女の身体は燃え上がっていた。
「主?」
「はい………どう、ぞ……」
中から聞こえる声がいつもより弱々しいことに首を傾げつつ、長谷部は中へ入った。
「失礼します」
彼に挨拶をするときは、主はせめて布団から体くらいは起こすのだが、今日はまだ掛け布団をかぶって丸まっている。
おまけに長谷部に背をむけていた。
「………主、どうかなさいましたか?」
「い、いえ…」
「申し訳ありません。昨夜は少し酔ってしまい、主をお見送りせずに自室へ戻ってしまいました。何か不都合はなかったでしょうか」
(………ん?)