第10章 ◆酔いの告白★★★☆☆
一度唇が離れると、私たちの間に糸がひき、光って切れた。
「ハァ……主、好きです………山姥切より、絶対に俺の方が主のことが好きですよ…俺の方が主に尽くします…俺がお側にいる間は他の男を選ばないで下さい…嫉妬でどうにかなりそうなんです…」
「…大丈夫です、山姥切さんとはそんな関係じゃないですからっ…」
素直にこちらの気持ちを伝えればいいものの、私はそれをすっかり忘れてしまい、端的な答えばかりをしていた。
だって、私の言葉で表情を変えてくれるのが嬉しくて…もう頭が真っ白で…。
「主と体を重ねるようになって、自分がどんどん欲深くなっていくんです……一日中、主のことが頭から離れない…。近侍として貴女のお側にいるとき、俺が何を考えているか分かりますか…?」
「…分からない、です…」
「主が俺のものにならないか…心も体も全部俺のものにできたらどんなに幸福か……そんな夢ばかり見ているんです…」
長谷部さん………!
「全部もらってください…! 私はもう全部長谷部さんのものです…! だって、私っ、私もっ……」
ずっと前から、長谷部さんのことが好きなんですから…!