第10章 ◆酔いの告白★★★☆☆
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「長谷部さん、大丈夫ですか…?」
主は長谷部の腕を肩にまわし、彼の部屋への廊下を歩いた。
(ドキドキが止まらない…だってさっき私のこと、「俺のもの」って…。どういう意味だろう…やだな私、すごく期待しちゃってる…)
「主どこへ行くんですか…これでは俺の部屋の方向ですよ…」
虚ろな目で、長谷部が言った。
「はい。 長谷部さんのお部屋へお送りしようかと…」
「何を言ってるんですか、俺が主をお部屋までお送りします…」
「えぇ? でも、長谷部さんすごく酔ってますし、早くお休みになったほうが…」
「酔っていません…俺は主の近侍ですよ…俺が送ります…」
そう言い張られ、主はしぶしぶ折れた。
彼女はあまり深く考えていなかった。
この状態の長谷部を部屋へ招けば、どうなるのか。