第10章 ◆酔いの告白★★★☆☆
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この日の本丸も、内番に資材集めと変わりない一日が過ぎていき、夕餉を終えた。
短刀たちは部屋へ戻って眠ったが、それを待っていた鶴丸の掛け声により、大人たちによる宴会が始まる。
主も参加し、そうとなればもちろん長谷部も彼女の隣を陣取って席につく。
ずらっと席に並んだ刀剣男士たちだが、特ににぎやかに呑んでいたのが鶴丸をはじめ燭台切、三日月、一期たちであった。
煽りあっているため、呑むペースも早い。
長谷部はと言えば、主がそれに巻き込まれないよう彼女と二人でしっぽりと呑んでいた。
「鶴丸さんたち大丈夫でしょうか。まだ宴会が始まったばかりなのに、あんなに…」
「心配は無用ですよ。どんなに酔おうが明日は俺が引っ張って馬の世話をさせますから。主は酒に強くないのですからあれに付き合っては駄目ですよ」
「ふふ、そうですね。長谷部さんは鶴丸さんたちのところへ行かなくていいんですか?」
「……今あそこに近付けば、嫌な絡み方をされそうなので」
高笑いをして酒を流し込んでいる鶴丸を横目で見て、長谷部はため息をついた。