第10章 ◆酔いの告白★★★☆☆
─それからさらに数分間二人の行為は続いたが、やがて主がイッたことで終了となった。
「長谷部さん…本当に嫌じゃないんですか? 私、朝はお風呂にも入ってないのに…」
後始末をしながら主が尋ねた。
ひと舐めすれば指示は完了するのだから、なにも主がイくまで長谷部が舐め続ける必要はないのである。
「奉仕は喜んで致しますよ。嫌などと思ったことはありません」
「…本当ですか? 無理してません?」
「信じられないのであれば、数時間、いえ一日中でもしてみせましょうか」
「…っ…い、いえ…大丈夫です…」
早朝から、快楽に溺れて目が覚める。これがここ数日では当たり前になっていた。
行為への羞恥心は日に日に薄くなっていき、終われば二人で衣服を整え、何もなかったかのように笑えるのだ。
しかし二人とも、この毎日にはリミットがあることに気付いている。
一線を越える指示がもうすぐ出れば、きっとこの夜伽の時間は終わりを告げる。
「参りましょうか、主」
「はい」
切なさを胸に残しながら、二人は部屋を出ていった。