第10章 ◆酔いの告白★★★☆☆
少し肌寒い朝の香りと、明るい室内。
まだ他の刀剣男士たちは起床していないのに、主の部屋にだけ卑猥な水音が響き渡る。
二人はこの数日で気づいていた。
矢文での指示は、主と長谷部が二人きりのときにだけされるということ。
どんなに時間が空こうと、他の刀剣男士たちがいる場では矢は飛んでこないのだ。
しかし二人はお互いにそのことに気付かないふりをし、二人きりになることを避けようとしない。
長谷部の主への挨拶は起床時間よりも早くなったが、それはこうして早朝に指示が出るのを期待しているためだ。
─ちゅっ…ちゅぱ…─
「長谷部さん…イきたいですっ…お願い…」
主は充分に長谷部の焦らしを堪能した後、そう申し出た。
「そうですか? 昨日はもう少し我慢できたはずですよ」
「だって…長谷部さん、私の気持ち良いところばっかり知ってるからっ…」
「……ふふ、違いますよ。主がこうして…」
─ちゅぱっ…ちゅ…ちゅっ…─
「ぁあん…ゃんっ…」
「ご自身で腰を動かして、気持ち良いところへ当てているからですよ」
指摘されると、主は真っ赤になった。
腰が動いていると言われ意識的に止めてみたが、長谷部の舌がまた突起に擦り付けられると我慢できずに動き出す。
長谷部は時折、わざと舌を押し付けたまま停止し、彼女から擦り付けてくるのを待つ遊びにも興じていた。