第9章 ◆情熱合わせ ★★★★☆
「…主…」
かすれた声でそう囁かれたのは最初だけで、すぐに強引に壁に押し付けられた。
暗い中で、急に長谷部さんが視界から消えたかと思うと、私の足元に跪いている。
その高さのまま腰を掴まれ、着物を帯の下からハの字に開かれると、下着を一気におろされた。
「えっ!? きゃあっ…!」
足首まで落ちた下着がまるで足枷のような役割となり、私は丸見えのまま動けない。
こうして着衣を取り払われて堀り当てられるのは、湯殿で自分の意志で素肌を見せるのとは違っている。
長谷部さんはなんの準備もしていない私のソコに、下から唇を押し当ててきた。
「やっ、嘘っ! 待って…!」
突然の感覚に腰が持ち上がるが、もちろん長谷部さんに押さえつけられている。
「あっ…長谷部さんっ、私にするんじゃなくてっ、長谷部さんにっ…あ、あぁん…」
「主のここをお借りします。十分濡れていますが、もう少しっ…」
「そこで喋っちゃ、だめですっ…」
彼は、清めていないから私には口でさせないと言ったくせに、自分は平気で私のを口にするなんて。
しかもこんな…すみずみまで舐めとるような動きで。
「やん…あっ…だめ、だめっ…汚い、からぁ…」
「主は綺麗ですよっ…」
絶対に嘘だ…。
こんなところ、綺麗じゃないよ…。
それでも気持ちよさには抗えなくなる。
舐めさせているのに、長谷部さんがどう思っているかはだんだん考えられなくなって、体が先に正直になっていく。