第7章 ◆快楽の奉仕 ★★★★★
バシャンと湯が音を立てた。
自分の体で彼女の四方を固めながら、彼は衝動的に、主の唇を奪おうとした。
しかしそれは、寸前で止まる。
今夜の夜伽では、口付けはしてはいけないということを思い出したのだ。
「長谷部さん……?」
長谷部の息は、ハア、ハア、と荒く上がっている。
「……主は卑怯ですっ……」
消えそうな声でそう訴えたが、主には聞こえず、「え?」と聞き返された。
(自分を好いている男に、貴女は恩情ばかりをかけてっ…主は何も分かっていない…! これでは錯覚してしまうんですよ! 主なら許してくれるのではないかと…俺の気持ちまで受け入れてくれるのではないかと…!)
長谷部はせきを切らし、主の体を岩場の上へと持ち上げた。
「えっ、えっ…長谷部さんっ?」
岩の上へ座らせられた主は、先程まで長谷部がとっていた姿勢と全く同じ、足の間が丸見えの状態にされていた。
「きゃあっ…!?」
「ほら、主。足を開いて下さい」
「え!? 長谷部さん、何でこんなことっ」
「次は主の番です」
主は両手で局部を必死で隠し、さらに足も閉じようと試みる。
しかし長谷部はそれを押さえつけた。
「待ってくださいっ! たしか、私には任意だと書いてあったはずです!」
「ええ。任意ということは、しても問題ないということでしょう? 言ったではないですか、心の壁を取り払う、と。主も俺への遠慮を取り払って下さい」
「そんなっ…待って…!」
長谷部はまず主の足を持ち上げ、それを自分の肩へとかけた。
「きゃあ!?」
長谷部の目鼻の先に主の割れ目が露となってしまい、彼女は足をジタバタと動かしたが、彼の肩からはびくともしない。