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道の交わる時

第2章 再会


「で?その人になんて怒られたわけ?」
園子の疑問には首を捻った
「うーん、細かく覚えているわけじゃないんだよねぇ。ただ物凄い剣幕だったのは覚えてる。後、一緒にいたお兄ちゃんが、『お前がそんなに怒ると思ってなかった』って言って驚いてたかなぁ」
「相当怒られたのね...」
園子が呆れた。

その後、蘭や園子の近況報告、世良の話などを聞いている内にのスマホにメールが来た。
「ちょっとごめんね」
そう言って返信を打つに園子が茶化した。
「なによー、彼氏?」
「いや、家の人。何時に帰ってくる?って」
「そういえば、今は誰と住んでいるんだい?」
世良が聞いた。
「家族が亡くなった時に私をひろってくれた親戚とだよ」
「なら、今回こっちに戻って来たのは、その人達の転勤に合わせてって事か?」
「そうだよ」


その後、他愛のない話をして、それぞれ帰路についた。
その後ろ姿を、安室は複雑な表情で見送っていた。


は1軒の日本家屋の前でたたずんでいた。その家屋は、瓦葺きでいかにも歴史のありそうな様式の建物だが、傷などがないことから、比較的新しい建物であることがわかる。
建物のあちこちから、人の声がする。
元気に遊ぶ声、竹刀の音、馬のいななき。

しばらく立っていたに声が掛けられた。
「なーにやってんの、主?」
後ろを振り返ると、そこには袴姿の青年がいた。長い髪を後ろで括り、下が黒、上が緋色の袴をつけ、たすき掛けをしている。首元には緋色の首巻きがある。その手には箒があった。
「別にー。ちょっとね」
「なーに、それ?」
の返事に青年は笑う。
その笑顔につられても笑う。
「ただいま、清光」
「お帰り。ほらさっさと上がりなよ。夕飯できちゃうよ」
その言葉でようやくは中に入っていった。
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