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道の交わる時

第10章 過去の記憶


「ー貴女様には、これから審神者として時間遡行軍と戦っていただきたいのです」
正直、色んな事が起きすぎて、頭がおかしくなっているのかと思った。それくらい、突拍子もなかった。

いっぺんに家族を亡くしたあの夜、一人で過ごしていた家に来たのは一匹の狐。
東京に野生の狐はいない。そもそも面を被った狐なんて見た事ない。
そう思って電話をしようとした。夕方にあった男の人に。
彼は風見と名乗った。兄の職場の仲間である事、親が亡くなったと聞いた時、付き添ってくれた。そして、家まで送り、何かあればいつでも連絡するように、と電話の番号を教えてくれた。
短時間ではあるものの、頼っていい人だと認識していた。
しかし、が電話をするより先に狐が言葉を紡ぐ。
「あるべき歴史を守って下さい」
「あるべき歴史?」
「はい」
狐は説明した。時間遡行軍が歴史を変えようとしている事、そのせいで今ある歴史が変わろうとしている事。
「歴史が変われば、貴女様も存在しなかったことになります。それにお兄様も...」
「...」
は意外と冷静だった。
「あなたの話が本当なのか、信用できない」
「もちろん、そうなりますね」
狐が言った。
「見せて差し上げましょう」
そして見せられた。歴史遡行軍の姿や、彼らと闘う刀剣男士を。
どうやら、闘うのは自身ではなく刀剣より生まれし刀剣男士という付喪神らしい。

このような経緯では審神者となる事を決めた。
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