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道の交わる時

第8章 8章



がどう答えようか、頭を抱えていると聞きなれた声がした。
「おや、さん、やっと帰って来たんですか」
振り向くとそこには沖矢がいた。
「沖矢さん...」
「頭を打ったそうで。今日はしっかり休んでくださいね。...おや?」
沖矢、もとい赤井は今、安室に気づいたかのように安室を見た。
「さん、この方は?」
「あ、安室さんと言って、小五郎おじさんの弟子の方です。安室さんもこちらに帰るから、と送ってくださったんです」
「それはそれは、彼女がお世話になったそうで。ありがとうございます」
「いえ、大したことはしていませんよ」

二人とも外面は至って穏やかで笑顔まで溢れている。
しかし、は薄ら寒さを覚えていた。

怖い、すごく怖い。
は思った。時折、三日月や小狐丸のそれと比べれば大したことはないのだか、それでも怖いものは怖い。

「さて、さんの怪我の具合も気になりますし、ここら辺でお暇させていただきましょうか」
沖矢がそう言うと、安室は意外と簡単に引き下がった。
「そうですね、さん、くれぐれもお大事に」
「あっ、はい、ありがとうございますした」

安室の車が遠ざかってから、沖矢は赤井の口調で言った。
「危ないところだったな」
「ホントにね...沖矢さんもありがとうございます」
「いえいえ、大したことはしていませんよ」
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