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道の交わる時

第8章 8章


そして、あれよあれよという間には安室の車に乗せられていた。
コナンが子供らしく駄々をこねて、別荘に泊まらせようとしたが、頭を強打しているため、家に帰った方が良いとの判断だった。後は何を勘違いしたのか、園子が二人きりにさせようと画策した結果でもある。
ただし、前回と同様、前田を忍ばせているので二人きりではないのだが。


「さんにとってはあまり良くない結果となってしまいましたね」
安室が言った。
「あはは、でもそれを言うなら園子も、だと思いますよ。折角、テニスの特訓をするためにいったのに、結局、ほとんど練習できてないし」
「確かにそうですね。でも園子さんならきっと大丈夫ですよ」
「えぇ、それは私も思います」

「そういえばお家はどこですか?送りますよ」
「いえいえ、駅までで大丈夫ですよ」
来た、とは思った。
今で送るなんてとんでもない。今のの家は本丸だ。帰るには時空移転のための懐中時計がいる。そんなもの取り出して帰ろうものなら質問攻めにあう事必須だ。大体、黒の組織などと、危ない奴に家の場所を知られたくない。
「送り狼になんてなりませんよ?」
無邪気そうな顔を向ける安室に、こいつ狙ってるだろ、とは思った。
「いえ、駅まで家の者が迎えに来てくれているので」
実は、別荘を出る前に本丸に連絡して、誰か一人を米花町の駅に来るよう頼んでいたりする。
誰が来るかは知らないが、おそらくまだまともな奴が来るだろうと期待している。
「そうですか、残念ですね」
何が残念なんだ、何が、とは思っていた。


米花町駅に着いたは愕然としていた。
せめて、家の方と会うまで、と安室が言ったので共に待っていたが、誰もいない。
スマホを見てみると薬研から連絡があった。
打刀以上の奴らが試合で決めようとしているらしい。
来ないのも致し方ないと納得した。試合なんてしてたらいつまでたっても来やしない。
かと言って脇差以下の者が来ても、未成年にしか見えないので逆に心配されて、やはり送ると言われるのがオチである。

「お家の方がいないようですが・・・大丈夫ですか?なにか事故にでも巻き込まれたとか、来れない理由でもあるのか」
そういって、安室は目を細めた。
「え、あ、いいやそういうんじゃないと思いますけど・・・」
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