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道の交わる時

第8章 8章


が気がついたのは、知らない別荘だった。
すぐに医師の診察が始まる。
少し頭が朦朧としつつも、診断を終えたは、異常が見られないとのことだった。
「急に頭が痛くなったりしたら、呼んでくださいね」
医師はそう言った。
「はい」

「本当にごめんなさい、私の不注意で!」
「...えっと?」
急に謝って来た見知らぬ女性には戸惑う。
「あんたにテニスラケット投げた人よ、ここもその人の別荘」
園子が説明した。
「あぁ、そうなの...」
「まだ少しボーっとしてるみたいですね」
には周りの声が夢の中での会話のように聞こえた。
「おい、大丈夫かよ」
コナンが話しかけて来た。
「うん、まだ少しボーっとしてるけど、意識ははっきりしてるよ」
が答えた。
「そうか...」
それだけ言って、コナンは蘭の元へと行った。

がほうけている間に、昼ごはんをご馳走になることに決まったらしい。
蘭や園子に、はリビングで安静にしているようにと言われて、お目付役としてコナンが一緒にいることになった。
「私、普通に大人しくしてるつもりなんだけど...」

リビングにいる間、コナンから気を失っている間のことを聞いた。
どうやら、をここまで運んだのは安室らしい。処置も適切で、黒の組織の癖に、とコナンは言っていた。
そして、コナンが眠気を訴えだした頃、高梨の勧めにより、コナンは石栗の部屋で休ませてもらうことにした。
その代わりに高梨がと話をしていたところに蘭や園子が戻ってきた。
「あら、コナン君は?」
「なんか、眠いって言ってたから石栗さんの部屋に行ったよ」
「なんで石栗さんの部屋なのよ?」
「一番冷房が効いてるらしいよ」
「ふーん、ま、あのガキンチョはどうでも良いわよ。それより、ご飯できたわよ」
「ありがとう」

その後、昼ごはんを食べ、片付けを手伝う、というを蘭達が止め、園子の計画により安室と二人きりにされた。面倒なことを、と思うとは裏腹に安室はニコニコとしていた。
「随分、落ち着いたみたいですね」
「えぇ、そういえば、色々やってくださったみたいで。ありがとうございます」
「いえ...」
そう言って安室は言った。
「貴女が無事で、本当に良かったです」
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