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道の交わる時

第7章 ミステリートレイン


「べつにそんなに気にしなくても大丈夫だよ。私安室さんに狙われる覚えなんてないし。大体、あなたにそこまでしてもらう理由がないよ」
「言っただろう。スコッチを救えなかった分、君を救いたいと」
「お兄ちゃんを助けられなかったから、私を救って満足したいの?」
「...」
「それなら断る」
そう言って、は立ち上がった。
「そろそろ帰るね。あまり遅くなるとは言ってないし」
そしては出て行った。
一人になった赤井は呟いた。
「気の強いお嬢さんだ。一筋縄ではいかない」
「姉ちゃんは昔からそういう性格らしいよ」
「そうか、ならば影から見守るとしよう」
「赤井さん、スコッチって人とそんなに仲が良かったの?」
「仲が良かった、というわけではないが、彼とは組織の中で何度か一緒に任務をやったことがあるな。後はそうだな、目の前でみすみす死なせてしまった事は、悪かったと思っている」
「そうなんだ...」
コナンが言った。
「あいつ、お兄さんを亡くしたって聞いた日と、両親が亡くなった日が同じなんだ」
「ーなに?」
「家に帰ったら警察の人がいて、お兄さんが亡くなったって言われたらしくて。それを両親にも説明するために警察の人と家で帰りを待ってたら、両親が亡くなったって連絡が来たらしいよ。だから...」
「なるほど、1日で家族を全員失ったわけか...」
少女の出自は思ったよりも暗かった。
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