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道の交わる時

第7章 ミステリートレイン


は車両をしらみつぶしに探して行った、
まず各車両に座っている車掌に聞き、さらに自分でトイレを覗いていた。しかし哀は見つからなかった。
探している最中、は先程の男について考えていた。
あの面を見ていたということは、あの男は長髪の男だろう。しかし、面だけで何故自分だと見抜けたのか。おそらく面だけではなく、何か特徴を残してきたのかもしれない。やってしまった。

そんなことを考えていると、向こうから世良の声がした。
「シュウ兄!!」

シュウ兄?
前もそんなこと言ってたな、と思いつつ、はこっそり覗いて見た。
すると、男がこちらに背を向けて立っていた。
その向こう側には世良がいた。
「久しぶりだな、真澄」
男がそう言うと、世良は目を潤ませながら言った。
「シュウ兄なのか!?シュウ兄は死んだって...」
そう言いかけて世良は男の方へ倒れ込んだ。
よく見ると、男の手にはスタンガンが握られていた。
その時、車掌が向こう側からやってきて、男に話しかけた。
「大丈夫ですか?」
「えぇ、妹は貧血気味でね」
「そうですか、お大事に」
「どうも」
そう言って男は向こう側へ歩いて行った。

は何やら見てはいけないものを見た気になったが、とりあえず男はに気づいていないようだから、大丈夫だろう、と結論付けた。
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