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道の交わる時

第4章 暴かれた真実


その後、個別に事情聴取するという事で、は警視庁を訪れていた。
佐藤刑事から車で送るという申し出を断り、一人で警視庁から出ると、目の前に白いスポーツカーが止まった。
「さん、奇遇ですね」
中から出てきたのは、安室だった。
「安室さん、どうしてここに?」
「偶々ここを通りかかったんですよ。さんはこのあいだの件の事情聴取ですか?」
「ええ。浦川さんの自殺を止めるためにコナン君と車に乗った、って言ったら怒られちゃいました」
がそう言うと、安室は困ったような顔をした。
「さんは無茶をしすぎですよ。そう言う事はもうしないでください」
「えー!そんなに無茶でしたか?」
子供のように言うに、安室は頷いた。
「じゃあ、少し気をつけます」
「いえ、大いに気をつけてください」
「はい...」
「ところでもう、帰るところですか?良かったら送りますよ?」
「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ、これから阿笠博士のところに行くんです」
「そうなんですか。ではやはり乗って行きませんか?実はこれからバイトなんですよ。どうせ近いですし」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
は内心、車に乗りたくない思い出いっぱいだった。どう考えても、風見より厄介なのは確かだ。しかも車。密室。
ヤバイ、とは思った。
しかし、実際には車の中で家について聞かれる事は一切なかった。
それはどれもとりとめのない話ばかりで、今までが、どのように生活してきたか、または安室のバイト先、ポアロでの面白い話などをした。
は終始笑っていた。そしてそれを見て安室も微笑んでいた。
「そういえば、さんの連絡先を教えていただいてもいいですか?」
阿笠博士の家の前で、安室は言った。
「ええ、もちろんですよ」
そう言って、は安室に連絡先を教えた。
「ではまた。帰り暗くならないうちに。気をつけてくださいね」
「ふふ、なんか安室さん、お母さんみたいですね」
思わずは言った。
「お、お母さん、ですか...?」
安室は面食らった。
「ええ、でもありがとうございます。十分気をつけます」
そう言って中に入って行ってを安室は見ていた。
「お母さん、か...」
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