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道の交わる時

第4章 暴かれた真実


薬研藤四郎は短刀であるのでより幼い出で立ちをしている。しかし中身は戦国の世を駆け抜けた刀、とても男らしかったりする。そして、藤四郎の中でも大人っぽく、を妹のように見ているようだ。も、見た目と異なり男らしい部分を頼りにすることはあるが、この年で頭を撫でられるのはいささか恥ずかしい。
ひとしきり、頭を撫でられたは思いついたように言った。
「そういえば、私、みっちゃんにお願いがあるんだった。ちょっと行ってくるね」
「おう」
出て行ったを見送っていた薬研は窓際に振り向いた。
「だとよ」
そこから出てきたのは
加州、前田だった。
「主君が無事なようで、安堵しました」
「でも、あの安室とかいうやつ、ちょっと面倒だね」
その言葉に薬研は驚いた。
「おいおい、加州の旦那、大将を見張っていたのかよ」
「少しだけだよ!事件に会う前に帰ってきちゃったし」
「主君が何も言わないのなら大丈夫でしょう。それより、女性である主君を尾けるのは宜しくないと思います」
「う...。悪かったよ、今度からはしない」
言葉に詰まった加州を尻目に、前田は言った。
「彼と会う度、主君は嫌でも兄君の事を思い出されるでしょう。心を傷めることがないと良いのですが...」
「そりゃ、無理な話だろ。まだ2.3年しか経ってねぇし、あんな死に方されちゃあな」
「んー、でもまぁ大丈夫なんじゃないの」
加州が言った。
「あれでも主、俺たちの主だよ?そんなヤワじゃない」
「まあな。なにかあったらその時は俺たちが支えればいい」
「そうですね」




後日、風見の元に、差し入れがあった。
ご丁寧に、差出人の名前まで添えてある。
安室の刺すような視線を受けながら中身を開けると、そこには栄養たっぷりのご飯があった。
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