第4章 暴かれた真実
「それより風見さんこそどうなんです?また不摂生とかしてません?」
これには風見が困った。
何も言わずに考えあぐねている風見を見てが呆れる。
「また、菓子パンとか食べてるんですか?仕方のない人ですね」
「大人は仕事で忙しいんだ!」
「そんなのただのいいわけですよ」
風見の言葉をはバッサリ切り捨てた。
「わかりました。今度、風見さんに、お兄ちゃんの名前で差し入れしときますから」
「やめろ!俺が殺される!」
その言葉をは軽く無視した。
殺される、って誰にだ。
「とりあえず、私帰りますね」
「待ってくれ」
風見の声に帰ろうと踵を返していたは立ち止まった。
「君は、まだ親戚の家にいるのか?」
緊張した面持ちの風見に、は笑顔で答える。
「風見さん、私に聞かなくてもわかってるんじゃないですか?答え」
風見の顔が険しくなる。
「なら何故嘘をつく?理由があるのか?教えてくれ。何かちからになれるかもしれない」
「答えられません」
あまりにもきっぱりと言い切ったに、風見は絶句した。
「な...」
「風見さんが思っているような事はないですよ。心配かけて申し訳ないですけど、杞憂です」
「それじゃ、また!」
は颯爽と帰っていった。
「で、大将?今日は何があったんだ?」
ある部屋で、は質問攻めにあっていた。
その部屋は木の棚に薬品が保管してあり、分厚い医学書が所狭しと収められている。また微かに消毒液の匂いがした。
「ん?前に言った通り、友達の家に行ってきたんだよ?」
素知らぬふりをしては答える。
「ほー、それだけで、あんなのにつけられる、と?」
「んー、あれにはひっくりしたよねぇ」
あくまで知らぬ存ぜぬを通すを見て、薬研は目を細めた。
「じゃあ、何故警察に行ったんだ?確か警察は秩序を取り締まる、いわば岡っ引きのような奴らだろ?」
「...」
「大将、今言っとかねえと、いち兄を呼ぶ「事件に会いました。黙っていてごめんなさい」...素直だな」
薬研の言葉を遮って白状したに薬研は笑った。
「どこも怪我してねぇんだな?」
「うん、色々あったけど平気」
その言葉ににホッと息をついた薬研はの頭を撫でて言った。
「ならいい」