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道の交わる時

第4章 暴かれた真実


家まで送るという、警察の申し出を断って、は一人、帰路についていた。
本音をいうと、送ってもらいたいところではあるのだ。
何しろ、今日1日で色々なことがあった。なんなら結構、怖い思いもした。
しかし、自分の家を知られるわけにはいかないのだ。
何故なら、親戚の家にはとっくのとうにいないのだから。
しかし、とはため息をついた。警察より厄介なのは安室とかいう男だろう。
警察以上にしつこく、送ると言っていたのだ。
結局、安室が事情聴取を受けている隙をついて警察を抜け出したのだが、あれは今度会った時に大変だろう。
安室だけでなく、コナンも何か言いたげな顔をしていた。
彼の場合は蘭や小五郎に散々怒られていたから、何も言ってこなかったが、そうでなければ、安室と共に厄介な事になっていたことだろう。
その時、暗闇から微かに声がした。
「人気者だな、大将」
「何人?」
「一人。眼鏡をかけた狐目の奴だな。顔に傷がある」
「そう...」

の後をつけていたのは風見だった。
もしもが逃げた時のために、と安室が連絡していたのだった。
急に、が歩く速度を上げた。
彼女がこちらに気づいたと知った風見は追いかけた。
が曲がり角を曲がったため、風見も急いで曲がると、そこにの姿はなかった。
風見が辺りを見回すと、声がした。
「お久しぶりですね、風見さん」
声は真後ろからした。

風見がふりむくと、そこにはがにっこりしながら立っていた。
風見は焦ったように眼鏡を押し上げながら言った。
「...覚えていたのか?」
「えぇ、もちろん。もしかして...誰かに言われてきたんですか?」
「!何のことだ」
しらばっくれようとする風見には苦笑した。
「しらばっくれようと無理ですよ、流石に」
風見は渋面になる。
「何故警察の申し出を断ったんだ。危ないだろ」
その言葉にはきょとんとした。
「あれ、もしかして、さっき何があったか知ってるんですか?」
「当たり前だ」
その言葉には笑う。
「心配してくれたんですね。ありがとうございます。でも、迎えがきているので大丈夫ですよ」
「迎え?」
風見の疑問に答えずには言った。
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