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道の交わる時

第3章 探偵達の夜想曲


毛利探偵事務所に依頼人は来ていなかった。
「なんだ、来ていないじゃねえか」
ドアを開けて言う小五郎の後に続いて、4人は中に入った。
「うーん、とりあえずここで待ってようか」
そう言って台所に蘭が行った。
コナンはテーブルを見て何かを考え、安室は部屋の中をゆっくりと見回した。
はコナンのようすを見ながら、蘭に声をかけた。
「お茶淹れるなら手伝おうか?」
「ありがとう!じゃあ、湯のみとってくれる?」
「僕もお手伝いしますよ」
そこに安室が加わる。
「すみません、じゃあと一緒に湯のみお願いします」
「お安い御用ですよ」
そう言って、安室は先に戸棚に向かったのところへ向かった。
は湯のみを一つ持ち思案していた。
「さん?どうしたんですか?」
「あぁ、いえ、なんでもありません」
我に帰ったはそう答えて、残りの湯のみを取り出した。
「また茶かよ、俺便所...」
そう言ってトイレに向かおうとした小五郎の携帯にメールが届いた。
「ん、なんだ?コロンボに来てください?」
「え?」
「依頼人からだな、しかし、便所が先だ」
そう言って歩き出した小五郎の携帯に再度、メールが来た。
「なに...今すぐ来てください?」
訝しげに携帯を見る小五郎に安室が言った。
「それならすぐに行きましょう!」
そう言って皆を外に連れ出した。
そして、ドアを閉めた途端、シー、と口に手を当てて言った。
「皆さんお静かに」
安室とコナンが言うには依頼人は毛利探偵事務所にいると言う事だった。
「どう言う事?」蘭の疑問に意外にもが答えた。
「湯のみが濡れていたよ」
「え?」
「湯のみが濡れていたの。蘭だったら湯のみを濡れたまましまうことなんてないでしょう?それにテーブルの上が綺麗に拭いてあった。コロンボに行く前におじさんがタバコの灰を落としてあったのに。ってことは、誰かが私達のいない間にあそこで誰かをもてなした、って事。加えてトイレの前の跡、おじさんがトイレに行こうとした瞬間に来たあのメールを考えると、依頼人はきっとトイレにいる」
「さんの言うとおりです」
「でもなんでトイレなんかに?」
「それは、直接聞いてみましょう!」
そう言って安室はドアを開けた。
その瞬間、事務所に銃声が響いた。
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