第8章 授業
「ありがとうございます葛城先生」
「いえ」
やっと落ち着いて寝れる。安堵してベッドから顔を出す。心地よい風が頬に当たる。火照った体が冷まされるような気がした。
ベッドを整える音。
そして、カーテンが動く音がした。
「そこのサボリ少女。いい加減起きろ」
「えっ!?」
慌てて体を起こす。目の前に白衣を身にまとった葛城の姿があった。煙草を咥えているのかと思ったが、どうやら飴の棒らしい。
「不良少女、ようやくお目覚めか」
「……先生の方が不良ですよね。こんなお昼からあんな事してるし」
「お前、処女だろ」
「違います!」
葛城は飴の棒をゴミ箱に捨てベッドに座った。間近で見ると整った顔をしている。まじまじと顔を見られ、恥ずかしくなりシーツで顔を隠す。
すると、耳に息が吹きかけられた。
「ひゃっ!」
体が跳ねた。
「処女じゃないのは本当みたいだな」
「い……いきなり……何するんですか」
「体が火照った生徒を慰めてやろう、と思った」