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【短編集】ブーゲンビリア【R18】

第8章 授業


 チャイムの音で目を覚ます。次の授業が始まったのか、終わったのかは分からない。携帯を開いて時計を見る。丁度一時間寝ていたらしい。今から授業に出るのも面倒なのでまた寝る事にした。昨日は夜遅くまで漫画を読んでいたので眠いのだ。
さかのぼる事一時間前。
次は嫌いな授業であり、眠気が限界に達したので、さぼる事にした。とりあえず、生理痛が酷いんです、とでも言えばごまかせるだろう。幸いと言うべきか、ここの学校の保険医は男。ごまかせる自信はあった。そして、保健室で寝かせてもらう事にして、今に至る。
目を閉じた瞬間――。

「あっ……ああ……そ、こぉ……」

艶めかしい声が聞こえてきた。どうやら隣のベッドでいやらしい行為をしているようだ。さすがに他の人の喘ぎ声など聞いたことが無いので戸惑う。

「隣で寝ている生徒がいるから静かにしろ」
「は……あ……むりぃ……」

無理じゃない、やれ。と心の中で思っていても仕方ない。声が聞こえないようにベッドの中に潜り込む。
しかし、どこかで聴き覚えがある声だ。

「川島先生。ここがそんなにいいのか?」
「ん……ああ……すごく……気持ちいいのぉ……」

思い出した。女性の方は英語教師の川島。男の方は保険医の葛城だ。
その時、誰かが保健室に入ってきた。

「葛城先生」
「はい」
「川島先生見ませんでした?」
「運動場の方へ歩いて行くのを見かけましたね」
「ありがとうございます」

誰かが保健室を出ていくと衣服が擦れるような音がする。
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