第7章 笑顔
「服を脱いで、手を頭の後ろで組め」
奏は、指示に従い、服を脱ぐが、下着を脱ぐか躊躇した。始めての行為では無いにしろ、流石に、始めてやる相手には、羞恥心が少なからず沸いてしまう。それを見ながら冷えたワイングラスに、赤ワインを注ぐ。グラス越しに、下着姿で戸惑っている奏の姿を見る。だいぶ薄れてはきたが、痣の残る白い肌。微かに赤らめた頬。呼吸が荒く、肩が上下している。そんな恥らう姿に、口元を歪ませながら、ワインを飲み干し、近付く。
「ブラも、だ」
片手でホックを外すと、奏がさらに顔を赤らめた。
「手を頭の後ろで組むんだ」
「あ……はい……」
鋭く刺さるような視線に、抗えなくなる。暴力を振るわれる事には、慣れてしまったが、若頭から殴られたことは一度も無い。自らを、大事に、扱ってくれている事は、分かっている。だが、センチュリーがある事も知らなかったし、まさか車内でこんなことをすることになるとは思わなかった。でも、嫌ではない。ただ、恥ずかしいだけ。不快な気持ちは微塵も無い。父親には、嫌悪感しかなかったのに。
大人しくいう事を聞き、手を頭の後ろで組むと、広いシートに押し倒され、胸を乱暴だが、どこか優しく揉まれる。お世辞にも大きいとは言えないが、形が良く、指を吸い込むように咥えていた。その弾力と柔らかさを堪能する。