第4章 ポーカー
「……しゅ……に、ん……? どう、した……ん……で……すか?」
呂律が回らないし、何だかふわふわしていて、夢を見ているみたい。
「キスだけで、イッたのか?」
「いった、て、なに……?」
主任の手が、私の頬に優しく触れた。心地よい体温が気持ちよくて、目を閉じる。
人肌って、こんなに、心地いいんだ。
「もっと気持ちよくなりたい?」
「ん……? もっと……?」
「そう、もっと、奏がしたことない、感じたこと無くて、初めての事。欲しいなら欲しいだけあげる。好きなだけあげる。だから、正直に、答えて?」
「しゅ、にん……」
「名前で呼んで? 奏の事も、奏って呼ぶから」
「ん……信也……」
「うん。どうしたの?」
今まで感じたことが無い温もり。優しさ。愛おしさ。大事にされてるって分かる喜び。知らない思い。知らない感覚。知らない感情。
「我慢しないで……大丈夫」
素直に甘えていいのかな? 強がらなくてもいいのかな?
頭白くて、何も、考えたくない。
「きもちく……なり、たい……信也に……されたい」