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【短編集】ブーゲンビリア【R18】

第4章 ポーカー


「……しゅ……に、ん……? どう、した……ん……で……すか?」

 呂律が回らないし、何だかふわふわしていて、夢を見ているみたい。

「キスだけで、イッたのか?」
「いった、て、なに……?」

 主任の手が、私の頬に優しく触れた。心地よい体温が気持ちよくて、目を閉じる。
 人肌って、こんなに、心地いいんだ。

「もっと気持ちよくなりたい?」
「ん……? もっと……?」
「そう、もっと、奏がしたことない、感じたこと無くて、初めての事。欲しいなら欲しいだけあげる。好きなだけあげる。だから、正直に、答えて?」
「しゅ、にん……」
「名前で呼んで? 奏の事も、奏って呼ぶから」
「ん……信也……」
「うん。どうしたの?」

 今まで感じたことが無い温もり。優しさ。愛おしさ。大事にされてるって分かる喜び。知らない思い。知らない感覚。知らない感情。

「我慢しないで……大丈夫」

 素直に甘えていいのかな? 強がらなくてもいいのかな?
 頭白くて、何も、考えたくない。

「きもちく……なり、たい……信也に……されたい」
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