• テキストサイズ

【短編集】ブーゲンビリア【R18】

第4章 ポーカー


「それでは、三枚のカードを表向きに提示してください」

 中央に並んだ三枚のカード。これと手持ちを合わせて、どう組み合わせるかが、鍵となる。

「この三枚のカードを、コミュニティ・カード、と言います。皆様に共通の手札、とでも申しましょうか。これらと手持ちのカードを組み合わせ、強い役を作ります」

 それから、賭けが始まり、一枚のコミュニティ・カードが提示され、を繰り返す。

「残ったのは、四番のお客様、八番のお客様、九番のお客様の三名様での勝負となります。これで、全てのベットが完了致しました。よろしいですね? ショーダウン」

 ショーダウンとは、プレイヤー様の手持ちである二枚のカードと、場に出た合計五枚のコミュニティ・カードの中から、もっとも強い五枚の組み合わせを用いて、手の強さを競うこと。これで、勝敗が決まる。

「おめでとうございます。フラッシュにて、九番のお客様の勝利でございます」

 ビギナーズラックとはこの事だろうか。見慣れた光景。こういった事は、カジノではよくある光景だ。

「ありがとう、君のおかげだ」
「いいえ、お客様の実力でございます。私は、あくまで、ルール説明役に過ぎません」
「そうか。また頼む」
「そのときはいずれ……」

 こうして、また今日も夜が明けていく。いつもの日常。他愛も無い日々。心から笑う事が難しい事も、本気で人を好きになる事も、そんな幸せなカップルを見る事も、もう、どうでもよかったのに。
/ 140ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp