第2章 罠
「ベタだけど、夜景が見える所とか」
信也に体を抱え上げられ、シャワーの前に座らされる。
「桜並木、夜桜、紅葉、観覧車、富士山、浜辺とか」
頭からゆっくり顔にかからないよう注意しながらシャワーを当てられた。
「色々考えてたんだぞ」
優しく丁寧に頭が洗われる。
洗われるのは慣れているが、裸を見られるのが少し恥ずかしい。
好きな相手だと尚更だ。
髪を洗い終わると丁寧に水気を取る。
「それらが全部無意味になった。俺の思考錯誤してきた時間を返せ」
無理難題を押し付けられた。
体を泡の付いたスポンジでゆっくり撫でられる。
自然と体が前かがみになった。
胸などを洗われるのは恥ずかしいのだ。
「はぁ……まあ、いいんだけどな。ほら、前洗うぞ」
「い、いや……前は……」
「嫌じゃない。洗うぞ」
「じ、自分でやる!!」
「今更何恥ずかしがってるんだよ。貧乳は立派なステータスだぞ」
「へ! 変態!!」
「既に見られてるんだからいいだろ」
「それでも恥ずかしいものは恥ずかしい!」
「知るか」