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【短編集】ブーゲンビリア【R18】

第2章 罠


「信也」

お湯の温度を調整している信也に声をかける。
信也は手を止めて振り返った。

「どうした?」

――もう、確かめてしまおう……

信也がどう思っていても構わない。
この気持ちが消せずにどんどん大きくなるのなら、いっその事聞いてしまおう。
そう、思った。
お嬢様としての仮面は先ほど捨てたのだ。
どんな答えが返ってこようが、自分専属の執事であるという関係は変わらない。
深呼吸をして、震える唇から言葉を紡いだ。

「信也、私の事、好き?」
「なっ!?」

信也が固まった。
驚愕の表情を浮かべたまま。
しばらくの間があったあと、信也は腕で顔を半分隠した。
わずかに見える顔は赤くなっている。

「て……照れてる……の……?」

思い切って聞いてみた。
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