第2章 罠
服を一枚一枚丁寧に脱がされていく。
脱がしながら舌を奏の体に這わせる。
下着まで取ると、奏を抱き上げた。
「えっ!?」
「風呂」
「はっ!?」
「いいから俺にもたれとけ」
訳も分からず言われたように体を信也に委ねる。
そのまま信也は部屋の中にある浴室の方へ向かう。
バスタブには既にお湯がはられており、奏の体にお湯をゆっくりとかけた。
奏の体をバスタブの中にゆっくりと入れる。
暖かい湯が体に染み入った。
なんだか落ち着く。
そういえば、目が覚めてから既に体は拭かれていたのだが、きちんと洗ってはいなかったことを思い出す。
信也はシャワーの方へ行きお湯を出し始めた。
いつのまにか袖とズボンの裾がまくられている。
広い背中、筋肉質だけども細い手足。
今まで気にもかけた事が無かった。
それが今では動作1つ1つが気になって仕方ない。
クラスメイトに人気だな、としか思いもしなかった。
でも、今ではそんな人気がどうも鼻につく。
私専属の執事。
それ以上でも以下でも無かったのだ。
今までは……そう、今までは。