第2章 罠
「奏お嬢様っ!」
その声にはっとする。
目隠しをされてからどれほど経ったかは分からない。
もしかすると気を失っていたのかもしれないが、バイブとローターはまだ動いたままだ。
「時間切れか……んじゃ、ラスト」
「あああああああああああっ!!!」
バイブとローターの動きが一気に早くなった途端、奏は体を弓なりに反らしながらイった。
バイブが抜かれ、ローターも離される。
目隠しが無くなり光の眩しさに目が眩んだ。
玲人はバイブとローターを軽く拭いたあと乱暴に鞄へしまうと、そのまま立ちあがった。
「じゃあね。また新商品が出たら試させてもらうから、よろしく」
手を振り屋上から出ていく。
入れ替わりに信也が姿を現した。
奏の姿を見た瞬間、信也の顔が変わる。
深呼吸をしたあと、奏に近寄りリボンを解く。
信也は目を合わせようとしない。
力の入らない奏を抱き寄せ、太ももを朝よりも優しく拭く。
抱き寄せる腕が心なしか震えている。
力の入らない両手で信也の服を掴んだ。
「奏……お嬢様……」
信也はそれ以上何も言わずに奏の頭を撫でた。