第11章 出会いと思い
「もっと、信也の事、知りたい」
一瞬驚いたように目を見開き、再び笑みを浮かべながら、ゆっくりと唇を撫でる。そんな葛城の指先が心地よくて、目を瞑った。
もっと欲しい。もっと感じたい。もっと、もっと。
いつから、こんなに欲張りになってしまったんだろうか。
いつから、触れられたい、て思うようになったんだろう。
きっと、あの日、手を差し伸べてくれたから。始めて、認めてもらえた気がした。
始めて、努力が報われた気がした。
「何が知りたい?」
葛城の指が、口の中へと入れられる。一本ずつ本数が増やされ、指を吸ったり、舐めたりを繰り返す。まるで、アイスを食しているかのような錯覚させ起こしそうな程、それは甘く、美味しい。頭がどんどん痺れていくような、ふわふわと浮かんでいくような、不思議な感覚。指が三本になり、バラバラに動かされ、厭らしい音が部屋に響く。だらしなく開かれた口から、唾液が漏れ、舌で舐められる。指を出し入れされる度に、全身が熱を持つ。
「ん……信也の事なら……なんでも、知りたい……」
上目遣いで彼を見上げる。
「そうですね……お嬢様が、私を気持ちよくさせる事が出来たら、教えてもいいですよ?」
「……きもち、よく……?」
「そうです。お嬢様の手や口を使って、私を気持ちよくさせていただけますか?」
「ん……わかった……」