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【短編集】ブーゲンビリア【R18】

第11章 出会いと思い



「もっと、信也の事、知りたい」

 一瞬驚いたように目を見開き、再び笑みを浮かべながら、ゆっくりと唇を撫でる。そんな葛城の指先が心地よくて、目を瞑った。
 もっと欲しい。もっと感じたい。もっと、もっと。
 いつから、こんなに欲張りになってしまったんだろうか。
 いつから、触れられたい、て思うようになったんだろう。
 きっと、あの日、手を差し伸べてくれたから。始めて、認めてもらえた気がした。
 始めて、努力が報われた気がした。

「何が知りたい?」

 葛城の指が、口の中へと入れられる。一本ずつ本数が増やされ、指を吸ったり、舐めたりを繰り返す。まるで、アイスを食しているかのような錯覚させ起こしそうな程、それは甘く、美味しい。頭がどんどん痺れていくような、ふわふわと浮かんでいくような、不思議な感覚。指が三本になり、バラバラに動かされ、厭らしい音が部屋に響く。だらしなく開かれた口から、唾液が漏れ、舌で舐められる。指を出し入れされる度に、全身が熱を持つ。

「ん……信也の事なら……なんでも、知りたい……」
 上目遣いで彼を見上げる。

「そうですね……お嬢様が、私を気持ちよくさせる事が出来たら、教えてもいいですよ?」
「……きもち、よく……?」
「そうです。お嬢様の手や口を使って、私を気持ちよくさせていただけますか?」
「ん……わかった……」
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