第9章 独占欲
「先生が俺のものになってくれるなら、いきますよ」
今、なんて言った?
「先生のキョトンとした顔、初めて見ました。誰も知らない一面を見れるのは、いいですね。そそられます」
「……」
あっるぇえ?
何だろう、幻聴かな。最近、ちょっと無理をしすぎたから、疲れが押し寄せたかなぁ。ラベンダーにはリラックス効果があった気がするし……。それに、何だかすごく熱っぽくて、頭がボーッとしてきたし、体も熱い。せめて、帰るまでは……
「ご、ごめんね! ちょっと、割と本気で、体調がおかしいから……今日は、かえ……る……」
立ち上がった筈なのに、足の力が入らず、倒れそうになるのを、彼が支えてくれた。途端に、眠気も来て、私は、意識を飛ばした。