第8章 授業
「どうした、桐生。具合悪いのか?」
「っ……だ、いじょう、ぶ……です」
「顔赤いぞ。念のため保健室に行くか?」
メールの文面を思い出し、慌てて拒否する。
写メをネットに流されたくなかったら次の授業は最初から最後まで受けろ。
そう、書かれていた。
「えー……つまり、ここは……」
授業が始まった。
中の物は動いたり止まったりを繰り返している。授業が終わるまで耐えきる自信はないが、耐えなければならない。
「中川、この問題解いてみろ」
「はーい」
授業が耳に入ってくるわけなかった。理性で授業に集中する。だが、その理性を壊そうと中の物は動き出す。口に手を当て声を抑える。
「……です」
「ん、中川ありがとう。ここは……」
動きが止まった。イキたいのにイケない。体が疼く。中がヒクヒクしているのが分かる。視界が定まらない。
「さて……少し早いが今日はここまで」
意識がもうろうとしている間に授業が終わりを迎えた。ふらつく体に鞭をうち席を立つ。壁に手をつきながらゆっくりと保健室へ向かう。もう、限界だった。理性など欠片も無い。